ミゼレーレ

バロック詩の情報。

2019-01-01から1年間の記事一覧

クラウディオ・アキリーニ

(拙訳) 海の色に身を包んだ老婦人 長年の間、厳粛にわが美しい太陽はマリンカラーのドレスを着ている。しかし、あなたは自分を賞賛しないその年齢で、セルリアンの服を着、海を模倣することを :なぜって、沈む太陽は、海に飛び込み慣れた事を知らぬ者がいよ…

アントン・マリア・ナルドゥッチ

(拙訳) 婦人の頭なる虱 そなたの山吹の御髪、そのたゆとう森に、うつくしき象牙なる獣らの、さ迷うを見ゆ。否、かの者共はさだめし自然の手による金糸の生みし宝石ならむ。やう々々に群なし、貴なる努めに励むがごとく、そなたは努めるものを小天使に変え、…

✋✊✌️名匠列伝

ジャン・ド・ラセペド(1550?-1623) 17 世紀のインクリングズ。古代神話をキリスト教で再解釈し「異教のミューズをクリスチャンのミューズに変えた」と、フランソワ・ド・サール (ほぼ同時代に活躍した、作家・記者の守護聖人)をして言わしめた。1550年頃にマ…

ジュリオ・チェザレ・コルテーゼ

(拙訳) パロディ英雄神話: ヴァイアス レンツァは遂に女の子の赤ん坊を生んだ。亭主は待った、猛烈に待った(中略)とうとう女の子は無事に生まれた:助産師が取り出した赤ん坊は大きかった、風を一杯に詰めた空気袋に見えた:生まれたとたん、おおきなウンチを…

アンドレア・ペルッチ②(承前)

町の門は閉ざされていたが、 神々は透明人間であるかのように入り込んだ。 彼らが物乞いをして回ると 苦痛の呻きと嘆声が聞かれた。 「見ろよ、なんてムカつくルン○ンだ」 が、最初に受けた反応。 パンを恵んでもらおうにも、 このならず者どもは DOG を GOD…

フィリップ・デポルト

(拙訳) 征服 その両眼、純情を業火で焦がし、その波打つ髪、心臓を鎖で絞め、その優美な指先、願望を仕留め、その才気、思索を戯れ言にし: その澄んだ眼差、星屑の燃焼より熱く、その髪の光沢、陽光を暗転くらいに矮小し、その細い手、あらゆる象牙より純白…

アンドレア・ペルッチ

(拙訳) 「アニャーノの水没」より ユピテルはある乞食の姿を模倣した :頭髪は抜け落ち、酔いどれで、眼はかすみ歯は1 本もなく、首はねじれ背中に大きな瘤、虱のいいエサ、鼻突くクサさ、帽子はぼろぼろ、穴だらけ、靴下は漁師の網状態 :服はつぎはぎボロ雑…

ジャン・ド・スポンド③地球を動かす最良の支点

(従業員 2 名による訳) 愛の十四行詩集より 「われに支点を与えよ、そうすれば 地球を動かしてみせよう」とアルキメデスは言った。 初めて梃子の原理を解明した、賢者の パラドックスは机上の諧謔に終わった。だが もしこの死せる哲人がよみがえるならば そ…

ジャン=バティスト・シャシニェ⑦死すべき者よ、考えよ

(English Translation) Mortal, think: what’s under a charnel’s lid:a worm-bitten corpse, bare of nerve andbare of flesh, whose naked bones, undoneand stripped of pulp, their swivels quit:here, out of putrefaction, falls a hand,and there, tu…

ジャンバッティスタ・マリーノ⑪バラ讃歌

「アドニス」より薔薇讃歌 バラの花は愛の微笑(ほほえみ)、まこと天のなせる麗質わが血でできたバラは、真紅に香り世の賞讃の的、自然界の飾り大地と日輪との、清ら乙女ニンフにとっても、牧者にとっても、こよなき歓び香りかぐわしい家の誉れうるわしの花々…

ジャン・ド・ラセペド⑤叡知的球体の幾何学

(拙訳) 「定理」より 叡知的球体よ、疑いようもなく 貴方の中心は至る所にあり、万物へとつながる 天界と地上、そして恐ろしい地獄、 貴方の辺縁は墓所へと落ちてゆく。 私の魂は傷つき 迷子になってしまった 球体に近づこうとするが、すべての歓楽にある む…

ジャンバッティスタ・マリーノ⑨蒼白な女性を愛でる

「竪琴」より 蒼白きわが太陽よ、おまえの愛くるしい蒼白さに鮮紅の暁はその色を失う。蒼白きわが死よ、愛くるしく蒼白き菫のようなおまえには愛をたたえた緋色の薔薇もひれ伏すのだ。おお、わが運命の意に添いたまえよ。愛らしいおまえとともにわれもまた蒼…

ジャン・ド・ラセペド④緑木と乾木

(拙訳) 「定理」より 緑木をしてサタンは我らが最初の母を誘拐せしめた:乾木をしてイエスはサタンのかどわかしに抗った。緑木は我らが母を地獄に隷属せしめた。 乾木は、母のすべての子らを地獄の炎から救った。 緑木のサタンはその憤怒が満たされたのを知っ…

ジャンバッティスタ・マリーノ⑦クリストフォロ・コロンボ

(拙訳) クリストフォロ・コロンボ 私こそがコロンボだ。他のすべての創作者が驚嘆する、空飛ぶ機械を造った、リネンの翅と木の脚で動く; 精霊とともに空を飛び、誰も降り立ったことのない場所へ鳩 (コロンバ) を導いた。 (Via https://books.google.co.jp/bo…

オノラ・ド・ポルシェール・ロジエ

(拙訳) マルキウス・ド・モンソーの瞳 これが瞳だろうか、いや神々だ。 王権にも、絶大なる力を誇るだろう: 神? いや、並んだ天国と天国だ。空色の。 その動きは、天国の軌跡。 天国? いや、まばゆく輝く太陽だ。 その光線はわれらの眼を灼く。 太陽? いや、…

サン=タマン④チーズふたたび

(知人による翻訳) ブリ*1だけが、その賛美を金文字で綴るのに相応しい。 そう、金だ。私がオマージュを奉げるフロマージュは ぜひとも金でたとえなければならないのだ。 人が崇拝してやまない金と同じ黄金色。だが、案じることはない。 割るには指で押すだけ…

アブラーム・ド・ヴェルメイユ (楽しき日曜の午後よ)

(拙訳) 日曜日よ、汝のたのしき午後も、愛する人との時間に比べれば、幽暗(うすらあかり) の夜でしかない。 (Via http://perso.numericable.fr/anne.lantenant/themes/ornement.htm )