ミゼレーレ

バロック詩の情報。

2020-01-01から1年間の記事一覧

ジャンバッティスタ・マリーノ⑬ナイチンゲールの美

「アドニス」より しかしこのうえなくしとやかに歌い優美に羽ばたくどんな美しく雅な小鳥たちにもまして森のセイレーンであるナイチンゲールはそのほっそりとした震える吐息をもらして、翼をもった群れたちの師匠と見えるように凝った様式を生み出していく。…

で、「偽ディオニュシオス」って何よ?

なぜ「偽」かというと… 新約聖書に一行だけ登場するディオニュシオス(アレオパゴスの裁判官デオヌシオ)とは別の、5世紀のディオニュシオスが書いた本だったのが、長い間混同されていたので、区別をつけるために「偽」とつけた。日本語Wiki充実。 ディオニュ…

ジャン=バティスト・シャシニェ②人生の船乗りたち

凪は何度も長いこと船乗り達を 海に引き止める、逆に思うまま吹く風は、 しばしば予定より早く まだ嵐が来ていない港へ船乗り達を運んでゆく。 (中略) 死の港で自由に生きるためには、 誰もが自分の最も若い時期にたどり着くところへ 一度は確実に着かなけれ…

コティニョン・ド・ラ・シャルネ

(拙訳) 1630 年代のいくつかの戯曲は、バレエの構築方法を採用している。当時のアントレ・ド・バレエは、選ばれた主題のさまざまな側面を体系的に追求するバレエだった。ピエール・コティニョンの「ボカージュ」では、様々なタイプの恋人たちが次々と登場し…

ジャン・ド・ラセペド⑥甘い蜜が教会の膿を出す

(拙訳)「定理」よりユダヤ人の王が、岩を叩くその最も強力な杖で水は溢れ出た民の群が放浪する乾燥した砂漠で彼が気を失ったのを見た者は 渇きを癒すかもしれないロンギヌスはすぐにこの傷を作ったキリストの側で槍が奥深くを突くのを敢行したその時、より強…

ダンプカーとタコヤキ

この両者の共通点は皆無に等しく、まだしもダンプカーとタコヤキの方がお互いに似通った所がある、と言ってもさしつかえないだろう。(堀敏実「角の店」) ⚙️激突サイボーグ犬⚪もっちりオペラ歌手犬↓ ダンプカーとタコヤキはどっちも男の肉体 (ひいては、自己…

ジャン=バティスト・シャシニェ⑩スペインに城を建てる

(拙訳) 貴方はスペインに城を建立し *1 ローマ帝国を併合し、歴史を造る日を熱烈に望む 大勝利、甘美な栄光、いくさ好きのドイツ人をも 打ち破り、ドイツの二大民族を己の法に従えただが死は貴方をあざ笑う、氷よりも冷たく卑下する 空想家特有の勇敢な将来…

ジャン=バティスト・シャシニェ⑨滅びたように見えるものは

(拙訳) 滅びに見えるものは、姿が変わっただけだ。 夏は息絶えたか? 翌年取り戻される。 夜は暗さを増し続ける? あとに待つ光は ふたたび一斉に、紺の蒼穹を照らすだろう : 少しずつ航路を変えて行きながら晴れやかな太陽は逍遥し、 そして神の決めた秩序に…

ペイレ・ゴドリン

(拙訳) 第二の花のソネット 天国が顔を借りるお方 その御顔は美しい光で刺繍され その穏やかさはとても優しく 子供の弓にも心から服従する。 村の小さな真珠、ギノレットとリリス あなたの満足を伝えたい、 ファイフ *1 とオーボエが共鳴し、 足と勇気を、く…