diary

バロック詩の情報ななめよみ。

ジャン・ド・ラセペド⑦イエス・キリストがプルートを殴る

(拙訳) 愛が彼をオリンポスから下らせた:愛が彼に人の罪を負わせた:愛が彼に血を流させた:愛が彼に唾を吐きかけられる苦しみを与えた:愛が彼の頭にこの棘をつけた:愛が彼の母に、彼がこの木に吊るされるのを見せた:愛が彼の手にこの無骨な釘を打ち込ん…

(よい子は見ちゃダメ) ジャン・ド・ラセペドのパロディ詩

thry.hatenablog.com ☝️この作品のパロディを書いてる方を~…のでー、拙訳彼はすべてを満足させた: 彼はすべてに値する、 この乾木の上で、歓喜は真実に到達する : そこには正義と平和が睦み合う。 酔っぱらったグラスの中のサタンは、私たちの魂の歓喜を飲…

ジャン・ド・ラセペド⑥甘い蜜が教会の膿を出す

(拙訳)「定理」よりユダヤ人の王が、岩を叩くその最も強力な杖で水は溢れ出た民の群が放浪する乾燥した砂漠で彼が気を失ったのを見た者は 渇きを癒すかもしれないロンギヌスはすぐにこの傷を作ったキリストの側で槍が奥深くを突くのを敢行したその時、より強…

✋✊✌️名匠列伝

ジャン・ド・ラセペド(1550?-1623) 17 世紀のインクリングズ。古代神話をキリスト教で再解釈し「異教のミューズをクリスチャンのミューズに変えた」と、フランソワ・ド・サール (ほぼ同時代に活躍した、作家・記者の守護聖人)をして言わしめた。1550年頃にマ…

ジャン・ド・ラセペド⑤叡知的球体の幾何学

(拙訳) 「定理」より 叡知的球体よ、疑いようもなく 貴方の中心は至る所にあり、万物へとつながる 天界と地上、そして恐ろしい地獄、 貴方の辺縁は墓所へと落ちてゆく。 私の魂は傷つき 迷子になってしまった 球体に近づこうとするが、すべての歓楽にある む…

ジャン・ド・ラセペド④緑木と乾木

(拙訳) 「定理」より 緑木をしてサタンは我らが最初の母を誘拐せしめた:乾木をしてイエスはサタンのかどわかしに抗った。緑木は我らが母を地獄に隷属せしめた。 乾木は、母のすべての子らを地獄の炎から救った。 緑木のサタンはその憤怒が満たされたのを知っ…

ジャン・ド・ラセペド②フレンチ・キス

(拙訳) 「定理」より 対話が終わり、聖母と神の子は 双子のように自然な動作で長いキスをした 唇を固く着け、互いの腕はゆるく同期し ぶどうのつるが楡を包みこんだ 【蛇足】フレンチ・キスみたいな趣向は「アガペー」と「神ですら愛する」を対にし、バロッ…

🈁文献ノート🈁👈

ジャン=バティスト・シャシニェ ビブリオ https://www.idref.fr/026781638 http://www.unjourunpoeme.fr/auteurs/chassignet-jean-baptiste (「生の軽蔑と死の慰め」抜粋) http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b8623320t (散文「十二小預言者」) https://b…

ジャン・ド・ラセペド (エルサレムとマウントオリーブ)

The opening sonnets of Jean de La Ceppède’s Théorèmes (1613,1622) present an urban vs. rural conflict that mirrors the dialectic between sin and salvation running throughout the work. La Ceppède’s focus for this struggle becomes the stark c…