ミゼレーレ

バロック詩の情報。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャン・ド・ラセペド⑦イエス・キリストがプルートを殴る

(拙訳) 愛が彼をオリンポスから下らせた:愛が彼に人の罪を負わせた:愛が彼に血を流させた:愛が彼に唾を吐きかけられる苦しみを与えた:愛が彼の頭にこの棘をつけた:愛が彼の母に、彼がこの木に吊るされるのを見せた:愛が彼の手にこの無骨な釘を打ち込ん…

クロード・オピル⑥3 匹の仔猫

(拙訳) オラ! この先は口をつぐみ、沈黙の中で讃美する時だ。愛らしい3 匹の仔猫たち。S.S.S. 主よ ! 【蛇足】S.は仔猫のしっぽかもしれない。「超訳」ではなく、ホントにこう書いてある。

ピエール・ド・マルブフ⑤アイリス(菖蒲、虹彩、虹)

(拙訳) 太陽の光は、雲のうねりの上に降り注ぐ。反対側の雲は、露の気配でやがてアイリスの穹窿が見えてくる、虹彩の輝きが地平を彩る。 ああ、彼女はもうここにいる。天空を多彩に染め上げ、さまざまな輪を生み出す。そして太陽にその誕生のエナメルを見せ…

ジャンバッティスタ・マリーノ⑲奇想詩

(拙訳) 女神の雪像は、見る者の目には冷たく映る、だが違った、内に炎を燃やしていた。氷の井戸の底… (奇想詩「アフロディテの雪の彫刻」より) …愚か者、信じやすい人、盲目的な人間の舌にこの女神は、どれ程甘い事だろう… (奇想詩「アフロディテの砂糖人形…

ジャン=バティスト・シャシニェ⑫赤ら顔の虫

(拙訳)己の在り様を見つめよ。 あなたが求めるこの角笛は 青白い墓の下で朽ち果てなければならない、 リンゴの欠片の懲らしめを受けるのだ。 ブーケよ、人間ほど不幸なものはない、 赤ら顔の虫ほど見るのも恐ろしいものはない、 腸から滋養のある肉を貪る、 …

サン=タマン⑤ミツバチは涙を飲む

(拙訳)ミツバチは涙を飲むために、愛する巣を離れ 平原に蒔かれた花々の魂を弔う。 蜂はさらに、優しい蝶について語る。 百合の花に代わって 薔薇に口づけをする。 【蛇足】17世紀の枢機卿ジュール・マザランは、宴席で魚のように見える肉、肉のように見える…