diary

バロック詩の情報。

アントン・マリア・ナルドゥッチ

(拙訳)

婦人の頭なる虱

そなたの山吹の御髪、
そのたゆとう森に、
うつくしき象牙なる獣らの、さ迷うを見ゆ。
否、かの者共はさだめし自然の手による
金糸の生みし宝石ならむ。
やう々々に群なし、貴なる努めに
励むがごとく、そなたは努めるものを
小天使に変え、わが心を捕え
殺める、めでたき網をこそ
金の糸にて織りつらむ。
おお、黄金の葉の間を飛ぶ愛たちよ。
おお宝石よ、金色に波打つ髪の房より生まれし者よ。
おお獣よ、かくのごとき甘美な諧謔を啜る者よ。
汝常しえの誉れを求めるならば、
あの尖りし爪に剛毅の指をもつ者の
餌食となるを拒むこと勿れ…



(Via https://books.google.co.jp/books?id=-fRGUP7S0xMC )


【蛇足】虱は男性の心でもあり、それが獲物である女性から逆に、森の妖精のように捕まえられる… という趣向。