ミゼレーレ

バロック詩の情報。

ピエール・ド・マルブフ⑤アイリス(菖蒲、虹彩、虹)

(拙訳)

太陽の光は、雲のうねりの上に降り注ぐ。
反対側の雲は、露の気配で
やがてアイリスの穹窿が見えてくる、
虹彩の輝きが地平を彩る。

ああ、彼女はもうここにいる。
天空を多彩に染め上げ、さまざまな輪を生み出す。
そして太陽にその誕生のエナメルを見せる、
その上に光線を投げかけながら。

彼女は腰の周りに半円を描く
私たちの目から円の半分を盗む、
様々な絵の具の色を混ぜ合わせる、
紺碧、紫、金、彼女は天を飾る。

貞淑な鳩の黄金の首、
太陽に向かって色を変える;
それでもなお、菖蒲の色はもっと美しい。
私たちの目を楽しませる鳩のエナメルよりも。

それゆえ、われわれは身を隠そう。
水の女王が告げに来た
やがて彼女の円弓の水分が
私たちに水を与えに来る。

太陽は裸の空に顔を沈め
この美しい虹の金庫を形作るために、
イエスは太陽、世界は雲、
恩寵は光線、聖母はアイリス。

 

 


【蛇足】仏教にも、言葉遊びはある。

火宅の譬喩では、jñāna (智恵)とyāna (乗り物)が中期インド語ではともにjānaであることを利用した言葉遊びが用いられている。👈「素晴らしい玩具をあげるから出てきなさい。羊の車、鹿の車、牛の車があるよ」*1

*1:古代インドの、テラコッタ製の玩具は洗練されていて、車は可動部品の組合わせで造られ、競走ごっこができた