diary

バロック詩の情報。

ジャン・ド・スポンド④もし私があなたのように羽毛を着ていたら

(拙訳)

愛の十四行詩集より

もし私があなたのように羽毛を着ていたら、
それを使わずに、重力の法則に逆らって、
腕をはばたかせて、可能性の風に乗って、
高く、遠くへ飛んでいたかもしれない。

まるで童話の中のように、私の守護霊の
住む場所を探して? 彼女は私の願いを叶えてくれる
かもしれない。いつもあなたのそばにいて
尊敬し 慕い 溺愛することを許してくれるかもしれない

しかし、あなたは、鳩の羽根を持つ一人であって、
それは、あなたの魂が飛べる事を示唆する
私の魂をはるかに超えて、だからこそ、あなたを愛しているのです。

地に根ざした鉛たる私は
あなたが羨ましい、だが私の一部もまた、
飛立ち、舞い上り、この哀れな籾(もみ)殻を下に残していくでしょう。

【蛇足】スポンドは人間が狼になった存在はありえるか、という論考で、ハーブを使って心をコントロールできるなら、体もコントロールして物理的に変えられるだろう、と日和った。しかしここからジル・ガルニエは単に幻覚剤を投与されていた…と見ることもできる。