私の魂がそのとき弱い牢獄から飛び立ってゆくと、
どのように私は死ぬのだろう。
そしてどのように私の魂は業火のなかへ墜ちてゆくのだろう
それとも天国へ行くのだろうか。
私にはわかるのだ、肉体が凍り、やつれ、鉛色になり、ばらばらになり、
すっかり見わけがつかなくなったのが。
私には人のいうことが聞える、あわれな男よ、もうおしまいだ、
一生を演じ終えたのだ、と。
私はどのように埋葬されるのだろう、どのように聖水をふりかけられるのだろう、
どのように土のなかに運ばれるのだろう、
墓石に閉じこめられ、穴のなかに住むと、
もはや私は誰にも逢うこともないだろう。
このように私は心に描くのだ、
刻々と駆け足でやってくるこの最後の時を、
ああ! どうして私は生きようか?
喪もなく悲哀もないこの死の影のなかで。
泣きなさい、私の眼よ、泣きなさい、
泣かないでという声には耳をかさないで。
歎きのもっとも少ない者、より少なく十字架を背負うものは、
まさしくもっとも病める人である。
(伊東広太訳)