暴走器官ローズマイハウス

バロック詩の情報。

ジローラモ・フォンタネッラ

画餅の愛


【知人による和訳】

  私は、愛の学校に行ったことも無いのに
愛する事について書いたり論じたりする ;
  愛の雷の轟きも知らないのに、愛の達人の様に、
愛の稲妻の美しい二筋の光を描く。
  理屈で愛を語れるが、美が魂を動かすからくりを
経験した事もない ;
  憂いに満ちた哀しげな泣き声、
しかし、私のそれは、只の泣き真似だ。
  一人の誠実な恋人が、心から明らかに話す
物語を聞き、それを我が事のように話す。
  一度も愛した事が無いのに、愛を描き、
おとぎ話の中で筆を振るっては、
他人の愛を美しく彩るばかり。



【蛇足】P.K.ディックを先取りしたような、シミュラクラ (本物みたいなまがいもの) 感覚。