diary

バロック詩の情報。

ピエール・ド・マルブフ (海と愛は分ち合う)

(拙訳)

フィリスへ

海と愛は、その苦さを以て分ち合う
海水は舌を焼き、愛は胸をえぐる
人は海と愛に足を取られ沈む
なぜなら、嵐から解放されることはないから。

海が怖ければ、決して浜辺から出ないように
愛から受ける痛みが怖ければ、
その猛火を拒みなさい
どちらも、苦しみの中で自分を見失う事なく生きられるだろう。


(via https://www.anglaisfacile.com/forum/lire.php?num=3&msg=79398 )


【以下蛇足】
1. アンヌ・ブロシェはアヴィニョン演劇祭でバロック詩を朗読したらしいが、おそらくこの愛らしい詩も演目に入っていた、のではないか。

2. 「グリードフォール」という17 世紀をイメージしたゲームにこのバロック詩が出てくる(実績/トロフィー名「愛と海-LOVE AND THE SEA-」)

3. 2019 年、香港の古楽楽団がこの詩をモチーフに作曲、フランス人による朗詠を交ぜ上演。さすが国際都市(当時)。